「身長が今より5㎝高かったら…テニスのサーブは上達するのでは?」
私自身はテニスをしているこんなことをよく感じてしまいます。バスケットボール程ではありませんが、テニスも身長の高さは影響するものです。一番顕著なのがサーブではないかと思います。
実は私自身、身長は165㎝と小柄なもので、フラット気味に当てて思い切り振り切ればサーブのスピードは180km/hを超えたことがあります。が、当然ながら身長の関係上、少しでも打点がズレるとサービスラインどころかベースラインを超え、大きくフォルトしてしまいます。なのでどんなサーブでも、ある程度回転をかけるのがセオリーです。
身長が違うということは、打点の高さも当然違います。冒頭のように身長が5㎝違うだけでも、サーブの威力や成功率は異なってくるものです。しかし残念ながら、意図的に自分の身長を高めるのは現実問題難しい。
筋力トレーニングを取り組むことで多少の威力を高めることは可能ですが。ただ、基本的には今の身長・スペックで上手くやりくりしなければなりません。ですが、サーブは案外上達するのは早いです。
ストロークは相手の打つ球によって対応も細かく変わるのに対し、サーブとはテニスにおいて唯一相手に邪魔されず、自分のリズムで打つことができるショットです。だからこそ、一度コツを抑えればそれを実践するだけで上達します。
当然ながらテニスを上達させて試合で勝つなら、サーブの強化は不可欠です。サーブの威力やスピード、回転を高める為には、どのような方法があるのでしょうか。1つ1つピックアップしてみたいと思います。
トスを高くする
サーブが上手い人は、身長を問わずトスが高い傾向があります。逆にスピードが出ず、回転もいまいち掛からない人は全体的にトスが低いです。かくいう私も、今では試合では自信を持ってサーブもしっかり振り切っていますが、高校時代は「ミスタークイック」と呼ばれるほどのクイックサーブでした。
確かにダブルフォルトはあまりしませんでしたが、スピードや回転は心もとなく、レベルの高い選手と試合するとハチの巣にされるのが定番パターンでした。また、次にお伝えするラケットワーク等ができても、トスが低ければ威力があっても暴発しやすいです。
トスを上げてラケットとボールが接触するまでに、少なくとも1秒の間は空くぐらいのトス・打点の高さは欲しいところです。元々トスや打点が低い人は初めのうち苦労こそしますが、慣れてくれば違和感なく打てるようになります。
手首を開かない
サーブが強い人は手首の回内動作(プロネーション)をしっかり使うことができています。逆に威力がなく、回転のかかりも悪い人は決まってこのプロネーションができていません。これは特にスライス気味のサーブを打つ女子に多く、巷では「羽子板(はごいた)サーブ」と呼ばれています。
つまり最初から手首が開いてしまっている為、インパクトのときに手首を使って弾くことができていないのです。プロネーションが使えなければスピードも出ず、回転もかからないのでサーブの軌道は安定せず、上達しません。
少なくともトスを上げてトロフィーポーズを作った時点では、手首を開いてはいけません。ちなみに「手首が開いている」状態とはボールを打つ方のラケット面が上を向いている状態のことです。利き腕の手首を親指側に力を入れず少しだけ捻って、手首が開かないようにしましょう。
スイングは肘から先行
これは前述のプロネーションと合わせて行うことで、サーブのスピードを飛躍的に高めることができます。インパクト時には手首が開くことになりますが、当然ながら手首だけで打つと”手打ち”になってしまい、スピードは出ても回転が微妙で、成功率はイマイチになってしまいます。
テニスに限らず全ての競技においても共通して言えることですが、身体の動きを理解することは大切です。下半身から上半身へ、腰から肩へ、肩から肘へ、肘から手首と、身体のパーツを動かす順番を守りましょう。そうすることでプロネーションによるパワーも余すことなくボールにぶつけて、ナイスサーブがさく裂します。
サーブを打つときは手首を開かずにトロフィーポーズを作り、スイングするときは肘から先に持っていくように実践してみましょう。
スピンをかけたいなら横に振る
テニスラケットとボールが接触する時間は本当に僅かなものですが、スイングの軌道によって回転のかかり方などは大きく変わります。例えばボールに対して後ろからまっすぐ当てれば、直線の軌道で飛びます。ラケット面がボールの下から上を通過すれば、当然縦回転がかかります。
なのでサーブのスピード・回転を両立させてダブルフォルトなどを減らすためには、フィニッシュ時にラケットが身体の右側(左利きの場合は左側)に持ってくるように心掛けましょう。
テニスが上達しない原因は至ってシンプルで、尚且つその原因を冷静に分析して解決すれば一定レベルまでは上達します。サーブで回転もかからずスピードも出ず安定しない、当たりがイマイチしっくりこないあなたは、まずはプロネーションを使えるようになることで、サーブが飛躍的に上達する可能性があります。