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よくあるテニス上達のアドバイス「下から上」の”落とし穴”

テニス上達
「ボールを打つときは下から上!」

というアドバイスは割と一般的な意見ではないでしょうか。少なくとも、「ラケットは上から下!」というアドバイスは中々耳にはしないかと思います。テニスを上達させる為には、まずはミスをしないことが大前提です。

ストロークでミスをしない為には、当然ながらボールに回転をかけて安定させるのが普通です。そして回転をかけるためには確かに下から上へスイングした方が効率的です。これはどのテニススクールでも言われていることでしょう。ただ、それでもテニスが上達する人は全体のわずか一握り。

・ショットが浅い
・すぐネットにかかる
・ボールに威力がなく、叩かれる
・上級者のような力強く重いボールが打てない

こういった悩みは非常に多いです。「下から上」というイメージは、決して間違っているわけではありません。しかし、実はこのアドバイスによってテニスの上達スピードにブレーキがかかってしまっている人が多いのです。ある種の”落とし穴”になっているわけです。逆にこの落とし穴にはまらなければ、

・ボールの軌道が安定する
・楽な力で重いショットが打てるようになる
・ナチュラルに回転もかかるようになる

こういった効果を得ることができます。特にストロークでのグリップが厚い人にとっては、テニスの上達に効果抜群のヒントになり得るかもしれません。是非最後まで目を通してみてください。

ストロークで「下から上」を意識するあまり、打点を落としてしまっている

ストロークの打点
「下から上」イメージを持つと、少しでも回転を多くかけられるように打点を低くして打つ人が実に多いんです。これがテニスの上達を妨げる落とし穴の正体です。素振りで理想的なフォームを意識しても、実際に打っているときのフォームは異なります。

確かに回転はかかるかもしれません。ですが前へ押し出す力に欠けてしまいます。球が浅くなってすぐネットにかけたり、ダブルスでも前衛にアッサリ捕まってしまうわけです。プロの選手でも、大半の選手はよほど追い込まれた態勢でない限り、少なくとも腰の位置程度の高さでボールを捉えています。

「チャンスボールが苦手」という人は、まさに高い打点で打ち慣れていない証拠です。高い打点で打てるようにならなければ、試合を有利に進めることはできません。粘り強い”シコラー”タイプの選手であっても、一定以上のレベルの選手と互角に打ち合うにはチャンスボールはしっかり決めたいところです。

ボールがコートに着弾し、跳ね上がるところを打つのを「ライジング」と言います。現在では上級レベルにとっては割と当たり前な技術と言えるでしょう。むしろ、ライジングで打てなければ上級者とは言い難いといっても過言ではありません。

余談ですが、よく見かけるテニスの上達法に関するDVDの動画などでも、あらゆる教材・コーチに共通して言えるのが”打点は一定以上の高さで打っている”という点なのです。

【テニス上達1ポイント】なるべく前で捉えるように意識すると打点も高くなる

ストローク上達
ストロークでは、なるべく前でボールを捉えるようにしてみてください。この意識を持つだけで、打点も自然と高くなります。イメージとしては、利き腕が伸び切ったところで捉えるのがベストです。

それだけ前で捉えていれば、大体ライジング(跳ね際)を打てています。跳ね上がるところを捉えるので、打点も低くなることはありません。逆に、一度跳ね上がって落ちるところを打つと、タイミングを合わせるのも難しくなってしまいます。ライジングで捉えた方が、考える暇もなくより感覚的にボールを打つことができるわけです。

1球1球跳ね際を打てるようにしっかり足を動かし、余裕を持ってショット体勢に入れるのが理想です。打点を落としてしまう癖がある人は、無意識にできるようになるまでは「全てのショットをライジングで打つ意識」を強くもってストロークに励んでみてもいいかもしれません。

まとめ

ストロークにおいて「下から上」のイメージは決して間違いではありません。ですがこれを意識するあまりに、打点を落としてしまっては本末転倒と言えます。一度、自分が実際にボールを打っている姿を動画などで観察してみるのも1つの手です。

打点を一定の位置で捉えられるようになれば、必然的にショットの軌道も安定し、テニスも上達します。ショットの軌道を安定させたうえで、5割、7割、8割とパワーを調整できるようになれたらベストです。

厚い握りの人はパワーを調節するのが薄い握りで打つ人よりも、少し難しいという性質があります。そこで打点を落としてしまうと、余計に調節するのが難しくなってしまうわけです。

せっかく打点に早く入れるにも関わらず、わざわざボールを落として打つというのは非常に勿体ないです。打点は常に高くしてボールを打つ練習をしてみてください。打点が変わるだけで、ストロークも、テニスも変わります。

調子の波が激しいタイプの選手は、良い時は打点が高く、悪い時はボールを落としてしまっているかもしれません。今一度意識してみてください。