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楽天オープンを観戦して感じた錦織圭選手と他の日本人選手との違いを考察してみた

楽天オープンシングルスドロー
楽天オープン2018のドローはとにかく激熱です。

10月5日時点で4強に進出したのが

デニス・シャポバロフ(カナダ)
ダニール・メドベージェフ(ロシア)
錦織圭(日本)
リシャール・ガスケ(フランス)

の4名です。誰が優勝してもおかしくない、実力も拮抗したメンバーですが。やはり錦織選手に優勝してほしいところですね。管理人が観戦したのは10月3日、シングルス2回戦とダブルス1回戦です。

やはり映像で観るのと生で観るのとでは、迫力だけでなく入ってくる情報も全く違ってきます。今回の楽天オープンには多くの日本人選手が出場し、活躍を見せてくれました。

そこで今回は、

実際に見て感じた錦織圭選手と他の日本人選手の違いについての考察を述べたいと思います。

【1.リターン力】海外勢の強烈なサービスでも簡単に主導権を渡さない

テニスのリターン力
観戦して1番に感じたのが、リターン力です。今回管理人はニック・キリオス選手vs西岡良仁選手の対戦を観戦したところ、キリオスの強烈なサーブに終始対応できていなかった印象を受けました。

基本的にダブルファーストで攻めてきたキリオスですが、ダブルフォルトもあるものの何だかんだで確率は決して低くなかったのです。入ればほとんどリターンが返らなかった為、試合展開もかなりスピーディだったと思います。

ダブルフォルトやセカンドスピン系のサーブが来た場合は何とか特異なラリー戦に持ち込めたものの、西岡選手の武器であるストロークでの粘りを活かすことができずに敗退してしまいました。

一方錦織選手は、ビッグサーバーであろうと簡単に主導権は握らせません。チャンスボールにはならない程度にしっかり返球し、ときにはリターンエースも奪うこともあります。サーブの平均速度が速い世界レベルの選手たちのサーブに対して上手くタイミングを合わせることが可能で、コースの読みがドンピシャであればスマートにエースを生み出してしまうのです。

他の日本人選手ですと、海外勢相手にリターンエースを決める確率はかなり稀です。今回の西岡選手の場合、相手のイージーミスなどによるラッキーポイントが無ければ、中々ブレイクできる気配はありませんでした。

【2.ダウンザラインの精度】ギリギリのコースでコートを広く使い主導権を握る

ダウンザラインの精度

錦織選手のストロークの精度は恐ろしく高いです。体勢がある程度整っていれば、いとも簡単にサイドラインギリギリのショットを打ちます。そのショットで相手を長距離走らせて、生まれたオープンコートへ確実にウィナーを叩き込みます。

特に素晴らしいのは、やはりバックハンドのダウンザラインです。間違いなく世界トップレベルの技術と言えるでしょう。あのショット1つで悪い流れを断ち切る、1ポイント以上に価値のあるショットだと思います。

自分と同等か、それ以上のビッグネームに勝利するときは、このバックハンドが要になっているといっても過言ではありません。

現場であのダウンザラインがさく裂すれば、観客は大歓声です(笑)

錦織選手はその他にもネットプレーやドロップショットなど、多彩なカードを使ってコートを広く、巧みに使います。このコートの使い方が、他の日本勢との差が大きいように感じました。

[3.ポイントパターンのバリエーション]錦織選手の引き出しの多さに脱帽

戦術のバリエーションが多彩
ポイントパターンバリエーション、つまり

「相手からポイントを奪うパターンの多さ」です。

多くのテニスファンにとって一番真っ先に浮かぶ錦織選手の形は、やはりバックハンドのダウンザラインでしょう。ただ、その他にも相手の意表を突いたドロップショットやフォアハンドのダウンザラインやカウンターのパッシングショットなど様々です。

さらに、それぞれのポイントパターンが明確になっているというのも大きいです。

他の日本勢の場合、格上相手となると自分の形でポイントを取れる機会が少なく、どちらかというとスーパーショットで何とか決まった、という印象を受けてしまいます。

もちろん本人の実力あってこそのナイスショットですが、パターンとして確立し切れていない感は否めない・・・

錦織選手はストロークでもネットプレーでも、ポイントを取る形が明確になっているので、「これが錦織の形だ!」というのがとてもわかりやすいと思います。

我々アマチュア選手でも、試合で勝つなら自分のポイントパターンを確立するのはとても大切な要素です。

【まとめ】やはり、錦織選手が1枚上手

錦織選手と西岡選手や杉田選手などの試合を生で観て比較したときの感想を一言でいうなら、

「やはり錦織選手が1枚上手だな」

というのが正直なところです。

その中で特に目立った点というのが、

・リターン力
・ダウンザラインの精度
・戦術

の3つでした。

もちろん選手はそれぞれ特徴やプレースタイルも異なり、得意分野というのもあります。

ただ、リターン力の有無はプレースタイルに関係なく必須の能力です。プロに限らず、アマチュアの中でも中級者と上級者にはこのリターン力に差があります。

当然ながらリターンが返らなければラリーにも試合にもなりません。

西岡選手は深センオープンからの連戦による疲労のせいか、本調子ではなかったのは観ていてもわかりました。ただ、それもひっくるめて勝負の世界です。

西岡選手には是非キリオスにリベンジして欲しいと思います!

楽天オープンの生観戦は観ていてとても刺激になり、新しい発見も多かったです。