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【テニスのスピンサーブについて】基本的な打ち方としっかり跳ねさせるコツ

スピンサーブのコツ
テニスにおいてサーブは、唯一相手に邪魔されることなく自分のペースで打つことができる貴重なショットです。また、試合においても自分のサービスゲームは基本的にキープしなければならず、相手のサービスゲームをブレイクするのも大事ですが、自分のリズムを作るのに非常に大切なショットとなります。

サーブにはいくつか種類があります。スピンサーブ、スライスサーブ、フラットサーブ、トップスライスサーブ、ツイストサーブ、王道のサーブはこの5種類ではないでしょうか?この中でもフラットサーブは高い打点から打たなければ物理的に難しいサーブです。少なくとも身長が180㎝以上は無ければ、成功率は非常に低く、難しいサーブになってしまいます。

日本人は上級者だとスピンサーブを打てる人が多いですが、初級者や中級者は、実はスピンサーブを打つことができる人が意外に少ないのです。スピン自体はかかってはいるのですが、どちらというとトップスライスに近く、しっかり高く跳ねるスピンサーブを打てる人は少数派です。

なので今回は、スライス回転もかからず純粋に高く跳ねるスピンサーブの打ち方についてご紹介します。スピンサーブの習得を諦めている人が意外に多いですが、諦める必要はありません。

私自身もかつてはスライスサーブしか打てず、他の人が打っているような、バウンド後にしっかり跳ねるキックサーブなど、自分が打てるイメージがまったくできませんでした。しかし、ちょっとしたきっかけで打てるようになり、現在はほとんどスピンサーブを中心にサーブを打っています。

スピンサーブが打てる人はスピンサーブを簡単だと思っていますが、逆に打てない人にとってスピンサーブはかなり難易度の高いサーブと認識している人が多いです。が、意外にちょっとしたことを変えるだけで打てることがあります。

「スピンサーブが打てるようになりたい!」と思っているあなたは、是非一度最後まで読んでみてくださいね。

スピンサーブのコツは身体は横向きを維持したまま振り切る

スピンサーブ
サーブの確率が悪い人によく共通しているのが、まず「身体が正面を向きがち」という点です。特に回転量の少ないフラット気味に当たっている人は身体が正面を向いたまま振り切っている可能性が高いです。

身体が正面を向いていては、スピンをかけるのがかなり難しいです。前提としてつま先の向きも、身体の向きも、基本的に横向きを崩さないままラケットを振り切るように意識しましょう。

ベースラインを「壁」だと意識して、ベースラインに沿う様なスイングが望ましいです。サーブを打つ前のトスの構えの段階からベースラインに沿う形で構えると、余計な動作をカットすることができます

どうしても身体が正面を向いてしまう場合、左手が遊んでしまっているかもしれません。そんなときは左手を高い位置に残して、身体が開いてしまうのを抑えましょう。インパクト後のラケットの軌道も正面ではなく真横を抜けていく形が理想です。

スピンサーブは「山なりに打つサーブ」ではなく、「バウンド後に跳ねるサーブ」

スピンサーブ 軌道
「スピンサーブの軌道はイメージではわかってるけど、イメージ通りボールが跳ねない…」、なんて状態のプレーヤーはかなり多いかと思います。私も勘違いしていましたが、スピンサーブは山なりに飛んでいくサーブではなく、バウンド後に跳ね上がるサーブです。

多くのプレーヤーが「山なりに打つこと」を意識し過ぎていますが、スピンサーブで重要なのは「バウンド後に跳ね上がること」です。着弾までの軌道よりもバウンド後のボールをより意識しましょう。

自分の中でのイメージを少し変えるだけで、テニスは驚くほど変わります。難しく考えずに「バウンド後に高く跳ね上がる」という、シンプルなイメージを持ちましょう。

トスを少し高めに上げて、最高到達点から落ちたところを”打ち上げる”

スピンサーブのトス

これはスピンサーブに限らず、サーブがイマイチ安定しなくて悩んでいる方は非常に多いです。トスを上げてから最高到達点に達してからボールが落ちてくるところを打つのが安定するコツですが、サーブの確率が悪いプレーヤーは最高到達点に達する前に打ってしまいます。

それだとサーブの打点を一定に定めることが非常に難しいのです。トスを上げて、ボールが浮上している最中に打つのはタイミングを合わせるのが非常に難しいのに対し、最高到達点に達してから落ちてくるところを打つ方が、圧倒的にタイミングを合わせやすいと言えます。

トスが全体的に低く、クイックサーブ気味の方は特に注意する必要があります。クイックサーブだと最高到達点に達するのも早ければ、落下してくるスピードもかなり速いです。他人から「クイックサーブだよね」と言われて、尚且つスピンサーブを打てない場合はまずトスの高さから修正する必要があります。

トスを今よりもゆっくり、そして普段よりも気持ち高めに上げることを練習して身体になじませることで、サーブの確率が劇的に改善されることがあります。

トスを上げてからフォロースルーまで利き腕の肩が逆の肩より前に出ない

スピンサーブ 打ち方
右利きの場合、スピンサーブを中心とした回転重視のサーブを打つときは右肩が左肩より前に出てはいけません。つまり、最初から最後まで横向きの姿勢を作ったままラケットを振り切る必要があります。

速いサーブを打ちたいという気持ちが強すぎると、やはりスイング自体も前に振ってしまう傾向があります。前方にスイングするとどうしても回転量が不足してしまい、スピードが出たとしても入る見込みのない、直線的な軌道で飛んでいきます。

スピンサーブは雑誌などでプロのサービスの連続写真を見てもわかるように、横にスイングしているのがわかるかと思います。フィニッシュも真横で終わっています。ちなみに、「横向きを維持し続けるとスピードが出ないのでは?」という懸念を持たれている方もいるかと思いますが、スピンサーブでも打点次第では上級者顔負けのスピードを出すことが可能です。

スピンサーブを打つときに、必ずしもトスを左側に上げて背中を反る必要はない

スピンサーブのスイング

スピンサーブの正しいトスはどこだと思いますか?従来のスピンサーブの打ち方では、「トスを身体の左後ろ・頭上に上げて背中を反る」という指導法が一般的だったのではないでしょうか。この指導は、決して間違っているわけではありません。

実際に、今までスピンサーブを打っていた人がトスを身体の左側に上げて背中を反っていたのだと思います。ただ、多くのプレーヤーが背中を反っていても力強く跳ね上がるスピンサーブを打つことができずにいます。

実はスピンサーブは、トスの位置はあまり関係ないのです。どこにトスを上げようが、縦回転をかけることができればサーブは必ず跳ね上がります。最近ではむしろ、背中を反って打つと怪我をしてしまう恐れがあるという見方も多く、背中を反らずにトスは身体の右側に上げてスピンサーブを打つ練習をして上達する方が多いです。

トスを身体の右側に上げても、ラケットを真横に振りぬくことでスピンはしっかりかかります。「スピンサーブのトスは頭上、身体の左側に上げる」という固定観念は捨てても何ら問題はないと言えます。

手首は常にリラックスさせ、柔らかく使う。グリップの握りはなるべく薄く

スピンサーブ グリップ
サーブもストロークも共通して言えることですが、スピンをかけるのであれば手首を柔らかく使うことが大切です。リストの返しが早ければ回転もスパッと綺麗にかかります。力強く跳ねる打球になってくるでしょう。

しかし逆に、手首に力が入ってしまうとリストの返しも悪く、回転もかかり辛い。山なりの軌道になっても、打ちごろのチャンスボールになる中途半端なスピンサーブになってしまいます。

サーブ練習で最初からラケットを担いでいる状態でスピンサーブを打つ練習を見かけることがあるかと思います。慣れないうちはラケットを担いだ状態でトスを上げて、手首を柔らかく使って打つ訓練をするのも1つの手です。トスとリストワークを同時に意識するのは難しいので、1つずつ反復練習して身に着けていきましょう。

また、スピンサーブを打つときのグリップはコンチネンタルグリップで、薄く握った方が回転はかかりやすいです。思うように回転がかからない人の多くは、コンチネンタルよりも少し厚い、セミウエスタン気味でラケットを握っているのをよく見かけます。

握りを変えることで違和感も生じ、打ち方が定着するまで時間を要することもあります。ですが安定してスピンサーブを打てるようになる為には、コンチネンタルグリップでしっかり振り切れるようになった方が他の球種のサーブにも応用が効きます。慣れてくれば回転もかかり、スピードも出せるようになってくるでしょう

当たり方を間違えると、100万回打ってもスピンはかからない

サーブ フォルト
スピンをかけられるかどうかは、”ボールの当て方”次第です。回転がかかるような当て方をしなければ、どれだけ身体を鍛えて、どれだけサーブ練習を重ねてもスピンサーブを打てるようにはなりません。

スピンサーブが打てない人の共通点として、ボールに対してラケットが後ろから前に出てきて当たっている点が挙げられます。これではラケットも横のスイングにはならず、当たってから手首の力で横に返しても手打ちでしかなく、十分な回転をかけることができません。

イメージとしては、ラケットを真横にスイングし、その延長線上にあるボールをなぞるイメージです。正面から「バチン!」と叩くのではなく、ボールの後ろを下斜めから抜けていくことで、強烈な縦回転がかかるのです。

まとめ

スピンサーブはしっかり跳ね上がる回転をかけられるようになれば、サービスの確率が上がるのはもちろんのこと、上達すれば中途半端な確率のスピードサーブをはるかに上回る強力な武器となり得ます

今までフラットな当たりの人は、まず当て方を変える為にも「真横にスイングする」という動作を身体に馴染ませることから始めましょう。慣れないうちは違和感を感じることもあるとは思いますが、途中でフォームを戻さずにしっかり練習すれば必ず習得できます。

スピードのあるスピンサーブを打ちたい場合は、打点を前にすることで体重移動のパワーも加算されます

テニスはイメージをほんの少し変えるだけでも、驚くほどプレーの質が変わります「スピンサーブが打ちたいのに打てない」と悩んでいる方は、是非今回ご紹介したポイントを実践してみてください。