「テニスが上手い人は、早いショットをコントロールできる」
「テニスの上達=早いショットを安定して打てるようになる」
テニスが上手い人を見ていると自然とそのような固定概念に取りつかれてしまう人は、特に初中級者では多いです。プロや上手い人のプレーを見ていると、
・綺麗なフォームで凄まじく早く、重いショットを打っている
・いとも簡単そうにテニスをしている
と感じてしまうものです。そして彼らのようなテニスを目指そうとすると、「ショットのスピード」という要素を追及してしまいます。ところが現実はそう上手くいかないのが世の常です。プロのプレーを見てイメージを高めて実際に打つと、そのギャップに苦しみます。これはある種の「洗脳」と言えるでしょう。
「早いショットを打てれば勝てる」という洗脳を解かなければ、テニスは上達しません。
今回はこの洗脳を解くためのヒントを3つご紹介したいと思います。この洗脳を解くことで、あなたのテニスは驚くほど変化が生じます。思い通りに打てないストレスからも解放されて、よりストレスフリーでテニスを楽しめるようになる効果が期待できます。
また、テニスの質自体も変化し、格上のハードヒッター相手でも互角以上に打ちあえるようになるでしょう。
ボールはラケットの真ん中に当たりさえすれば、”必ず”飛ぶ
上手い人のプレーを見ているとスイングを真似しようとしたりしますが、フォームとはあくまで表面的な要素であり、そこを真似しても効果は見込めません。フォームを真似すればテニスが上達するのであれば、理論上プロの動画を見直して真似し続ければ同じようなショットが打てるはずです。
大前提として、「ボールはラケットの真ん中に当てればしっかり飛ぶ」ということ。プロや上手い選手はスイングよりも以前にこの基本的動作をしっかり押さえることができています。実際にコートでボールを打つときは、とにかくボールをラケットの真ん中に当てることだけを意識してみましょう。
素振りで頭を使うのは全て机上の空論
素振りも立派な練習の1つではあります。鏡などを見てフォームをチェックし、「どのフォームが一番効率的か?」、「どうすれば気持ちよく振り切れるか?」というのを考えることがあると思います。
ですが、どれだけ素振りで理想のフォームを追及しても、所詮は机上の空論でしかありません。何故なら、実際に打つときはボールとラケットが接触することで、素振りでは決して起こり得ない「力の働き」が生まれる為です。さらに飛んでくるボールは1球1球軌道も球種も異なります。
それならば、素振りに費やしている時間をランニングや体幹トレーニングにあてた方が効率的だと言えます。ラケットを真ん中に当てることができれば、理論上相手が打つボールに追いつければミスはしません。
オンとオフをきっちり切り替える
試合において戦略やコースについて頭を使う分には問題ありません。むしろ積極的に使うべきです。ですが運動とは本来頭を使わず、”感覚”で行うものです。ラケットをボールに当てることができれば、あれやこれとフォームについて深く考える必要はそこまでおりません。
過去の私自身もそうでしたが、日中ずっとテニスのことについて考えるのはとても非効率です。向上心の高さが、かえってマイナスになってしまいかねません。何より、どれだけテニスが好きだとしても人生テニスが全てではありません。
テニスの悩みはテニスでしか解決できなければ、仕事の悩みは仕事でしか解決できません。テニスが上手い人は基本的にオンとオフの切り替えが上手くできてる場合が多いです。上手く切り替えができるようになることで、テニスに限らずあらゆる物事を円滑に進めることができるでしょう。
まとめ
テニスは上達に関する情報が非常に多く、難しく考えれば考えるほど上達から遠ざかり、悪循環に陥ってしまいやすいです。特にプレー中、打ち方やフォームについて考えていると、ボールへの反応も遅れてしまい、イージーミスに直結します。
「ボールをラケットの真ん中に当てれば、しっかり飛んでいく」というように、テニスをシンプルに捉えられるようになることで、雑念も減ってプレーの質が向上するのです。
大げさな表現ではありますがラリーでも球出しでも、その瞬間に打つボールは人生で唯一無二の1球。1球1球丁寧にコントロールできるのを目指しましょう。ミスをせず丁寧に打ち続けることができて、尚且つどんな球も拾えるようになれば簡単に負けるようなことはまずありません。
極論、「黙って足を動かしてボールを打つ」のを徹底していればプレー中の集中力も高まり、各ショットの精度も上がってきます。