先日、日本で唯一行われるATPツアー、「楽天オープン2018」を観戦しに足を運びました。例年は東京ビックサイトの近くにある「有明テニスの森」で開催されているのですが、今年はオリンピック等の関係で工事を行っている為、東京都調布市にある「武蔵の森総合スポーツプラザ」にて開催されました。
管理人が観に行った日はシングルス2回戦、ダブルス1回戦、準々決勝が行われました。どのドローも激アツな組み合わせで、グランドスラムの本戦レベルです。錦織圭選手の復活に、大阪なおみ選手による日本人史上初の女子単グランドスラム優勝の影響か、会場は大賑わい。チケットもほぼ完売です。
一番リーズナブルな4階席からの観戦ではありましたが、今回は実際に行ってみた感想などを振り返ってみようと思います。
楽天オープン2018の会場、武蔵の森総合スポーツプラザのアクセス
武蔵野の森総合 スポーツプラザ
〒182-0032 東京都調布市西町290-11
最寄り駅:京王線飛田駅
有明テニスの森とは違い様々な競技スペースがある関係で、大会会場のスペースとしては少しこじんまりとした印象を感じました。アクセス的には新宿から京王線で30分弱なので、都内在住の方にとっては悪くないかもしれません。
19時半ごろに会場を後にしたところ人身事故と鉢合わせになってしまい、仕方なく飛田給駅から調布駅まで歩くことにしました。飛田給駅から調布駅は、徒歩で20分程度だと思います。バスがとても混雑していましたが、調布駅へ向かうなら徒歩の方が便利ではないかなと。
2018年の楽天オープンは、試合コートを同時に2面観れるという不思議な光景
今回は基本的にアリーナコート1と2での2面展開で試合が進む形式でしたが、どの席も一応2つの試合を同時に観戦できるようなレイアウトになっていました。有明の場合ですとコロシアムセンターコートから、外にあるコート等、観たい試合に応じて移動しますが、今回は特殊です。
アリーナコート1がセンターコートというような扱いになっています。管理人の席はアリーナコート2の後ろだったので、どうしてもメインコートは遠目になってしまいます。。。
11時半には席に到着したところ、ロシアのクーリザン選手が練習を行っていました。サーブの当たりがとにかく凄まじく、本当に自分と同じテニスラケットを使っているのか疑わしくなる程でした(笑)
12時になり、ついに1巡目の試合が始まります!
ニック・キリオス(オーストラリア)vs西岡良仁(日本)
・試合結果
キリオス 7-5,7-6(3) 西岡
メインコートでの試合だった為、遠目からではありましたが・・・
我らが日本の西岡良仁選手とニック・キリオス選手の1戦。日本人の試合はやはり観客が一気に増えます。
テニス界では悪童と名高いキリオス選手ですが、実際に試合を観た印象は「何を考えているのかわからない」というのが正直な感想でした。突然のハードヒットに謎のダブルファーストサーブなど、西岡選手も非常にやり辛そうでしたね。ただ、やはり強いです。
キリオス選手の強烈なサーブはエースを量産し、西岡選手も粘るに粘れません。何だかんだ西岡選手の武器を封じながら主導権は渡さずにタイブレークも取り切りました。ふざけていたのか真面目にやっていたのか判断しがたいキリオス選手でしたが・・・
ただ、キリオス選手のサービスゲームを攻略することができていれば、西岡選手がストレートで勝つことも十分に可能だったかなと感じました。先日優勝した深センオープンの疲労の影響もあったかもしれません。戦績は上がり調子なので、しっかり休んで次に備えて欲しいです。
勝ったキリオス選手が観客席にサインボールをプレゼントする際、ラケットで飛ばすのではなく素手で観客席まで投げていたのは衝撃を受けました…。人間離れした肩の強さです。
ジル・シモン(フランス)vsアレックス・デミノー(オーストラリア)
・試合結果
シモン 7-6(1),6-7(5),2-6 デミノー
非常に熱い試合でした。鉄壁の守備力を誇るシモン選手とエネルギッシュにコートを走り回るオーストラリア期待の19歳、デミノー選手の一戦です。
ラリーがとにかく、長い長い!
安定したストロークが持ち味の2人の激突で、試合時間は3時間を超える激闘でした。2ndセット終盤でシモン選手から5-3の40-0。多くの観客がシモン選手の勝利を確信したかもしれません。ところがここからデミノー選手の反撃が始まります。
トリプルマッチポイントをしのぎ切ると勢いを取り戻し、タイブレークにもつれ込みます。タイブレークを先行したのもデミノー選手で、そのまま2ndセットをものにしました。
逆にシモン選手はマッチポイントを取り切れなかったせいか急激にフラストレーションが溜まり、ボールを天井にぶつけるなどの行為が目立ち始めました。そのままファイナルセットでもミスが目立ち態勢を立て直すことができず、デミノー選手が見事に逆転勝利を収めました。
管理人は11~19時過ぎまで現地にいたのでその日のカードは一通り観戦しましたが、試合レポは凄まじく長くなってしまうので、以降の試合は別の機会に・・・(笑)
今年の楽天オープンは例年よりブースやお店が控え目。スピードガンは無し
今年のブースはFILAのエリアが多かったような印象を受けます。足を運んだ記念に楽天オープンのロゴ入りタオルを購入しましたが、こちらもFILAですね。
会場内にあった主なスポーツブースは
・FILA
・ヨネックス
・バボラ
・ミズノ
・スリクソン
等々で、それに加えて楽天カフェなどのフード・ドリンク店が数か所ありました。ヨネックスのブースでは試打エリアがあり、西岡選手や大阪なおみ選手、シャポバロフ選手などが実際に使っているスペックのラケットが打てるという企画を行いました!
使ってみた感想は、やはり普通・・・(笑)
私のような一般ピーポーが必至でブンブン振ってるつもりでもしっかりボールが飛んでないのに対し、プロがゆったりした打ち方で凄まじいショットを打っているのには様々な違いがあるのだなと再実感しました。名物の1つだったサーブの速度を図るスピードガンがなかったのは少し残念です。
また、楽天オープン2018のロゴが入ったタオルやシャツなど、楽天オープンならではのご当地グッズは案外少なかったですね。
他のスポーツブランドのブースに置いてあるグッズは、基本的に楽天オープン要素はほとんどなかったです。
【嬉しいような悲しいような】会場のセキュリティや対応に疑問アリ
どの組み合わせもハイレベルで、観戦できた試合は文句ナシです。ただ、正直「これはちょっとどうなんだろう?」と思った点がいくつかあります。
それは
・観客のマナー
・会場のセキュリティ等の甘さ
大きくわけてこの2点です。
観客のマナーについて
前に伊達公子プロが「溜息ばっかり!」と苦言を呈して話題になったことを覚えていますでしょうか?
今回はアリーナで室内だったせいか、日本人選手がミスをしたときに聞こえる観客席の「あ~」という溜息が非常に目立ちました。本当に多くの観客が同じタイミング・同じ音程で「あ~」と溜息を漏らしてるんでしょうね(笑)
応援するのであればシンプルに考えてミスをしたら「ドンマイ」などと声をかけるのが普通でしょう。
溜息が出てしまうのは「応援」というよりも「見物」という感覚で観戦しているのだと個人的には思います。ただ、どういうスタンスで観戦に来ているかは人それぞれなので、一概に良いか悪いかという判断はできません。が、個人的にはちょっとあからさま過ぎないかと感じたという話です。嫌な選手は嫌になるかも(笑)
ポイント間・ラリー中に平気で席をチョロチョロ移動するのは何なの?
これが一番気になりました。基本的にセンターコートではゲーム間のみ、観客は移動するのがマナーです。にも関わらず、今回はマッチポイントで激アツなラリー中だろうが何だろうが、ポイント中に平気で席を立って移動する観客が多くてビックリしました。
主審、何故に注意しないし・・・。
(カメラのフラッシュだけはしっかり注意してましたよ)
今回は1つのアリーナ内で2面展開ということで特殊なケースではあったとは思います。それにしても、選手は非常にやり辛いだろうなーと思いました。自分のプレー中に盛大な拍手や溜息、関係ない選手への声援が聞こえてくるわけですから・・・
会場のセキュリティ等が雑で残念。スタッフもお疲れ気味なのかちょっと暗い
上記のような観客も、本来ならスタッフが注意すべきだとは思うんですが…
完全に無法地帯になってましたね
チケット完売だったにも関わらず、一番安い席でもその気になればそこそこの席に座れるんじゃないかって感じてしまいました。
(実行してる人は実行してるかも・・・)
そしてスタッフも想像以上の来客数で忙しかったのか?心なしか元気がないように感じました。
会場を出る際も「ありがとうございました」等の挨拶をしてくれた方は僅か。
(ただトーンが暗い・・・)
個人的には運営がしっかり機能できていなかったんじゃないかなと思います。
まとめ
楽天オープン2018を観戦して感じたことを完結にまとめると、
試合は見応え抜群だったけど、正直、観客のマナーはかなり悪い
って感じです。
個人的には試合が熱ければOKですが、最低限のマナーは自分も含めて、しっかり守っていきたい。これで選手や協会などから日本のテニス協会に苦情等が来てしまう、なんて展開は避けて欲しいところです。
日本人選手の活躍で日本のテニス熱が高まるのは1テニスファンとして当然嬉しいことではあります。選手、運営、観客が一丸となって素晴らしい楽天オープンにしていきたいですね