テニスと体幹は、非常に密接な関りをもっています。一見細身でも、大人顔負けのハードヒットを披露する選手は、体幹が強いパターンがほとんどです。そしてテニスをやっている人では男女問わずそういった選手が多いのです。俗にいう、”身体の使い方がうまい”人達に該当するのではないかと思います。
恐らく一定以上のレベルになると体幹トレーニングをやっていない選手はほとんどいない。と言っても過言ではないくらい、テニスを上達させる為には体幹は重要な要素です。体幹をしっかりさせることによって、
・スピードも重みもたっぷりある、力強いショットが打てるようになる。
・ラリーで振り回されても、身体の軸が崩れずカウンターも容易に打てるようになる。
・長期戦になっても、最後までパフォーマンスが落ちなくなる。
・各ショットが全体的に安定して、必然的にミスも減る。
こういった効果は間違いなく得ることができます。体幹さえしっかり作っておけば、ある程度歳を重ねて体力が低下しても、テニスのパフォーマンスが著しく落ちるような問題は解決してしまうのです。
「その年なぜあんなショットが打てるんだろう?」
というベテランの方々も、体幹の強さがクオリティーの高いプレーを裏付けているのです。学生より運動量や練習時間が少なかろうが、タバコを吸っていようが、体幹の強さがそういったマイナス要素をカバーしていると言えます。
「社会人になってから体力が落ちた」
「テニスも長時間打てなくなった」
「シングルスは動けない」
ほとんどの方がそう感じるかと思います。ですが私は反対に社会人になってからの方がテニスも上達し、フィジカルも含めて学生時代より確実に完成度は高いプレーができるようになりました。もちろん会社員なので、テニスができるのは基本的に土日のみ。
ですがある体幹トレーニングを2日に1回のペースで取り入れたことによって、まず長時間打っても下半身が疲れなくなり、サーブやストロークの精度も向上させることができました。
なので今回は、私が実際に取り入れて効果を実感している体幹トレーニングをご紹介いたします。一言で「体幹トレーニング」と言っても、その種類は様々です。私自身が見たことも聴いたことも、やったこともないメニューも存在するかもしれません。
今私が実践しているメニューはプロのパーソナルトレーナー直伝のメニューです。トレーナー自身テニスへの理解も深かったので継続したところ、非常に大きな効果を実感できているわけです。
社会人になってからは、テニスの基礎練習をやる機会はほぼほぼありません。にも関わらず、家で1人でもできる体幹トレーニングをコツコツ継続したことで、テニスを上達させることができたのです。所要時間はレストタイムも入れて10分~30分程度で済ませることができるので、お時間の余裕のあるあなたは一度実践してみてください。
【テニスを上達させる体幹トレーニング】全動作の土台である下半身を強化しよう
ステップ1:仰向けに寝転ぶ
まずは、仰向けに寝転んでください。
ステップ2:両腕を伸ばす
両腕を伸ばします。万歳している状態です。
ステップ3:両足を上げる
次に両足を上げます。なるべく高い位置にキープするのが理想です。ここまでが準備段階です。
ステップ4:腕は伸ばしたまま、両手で足首をタッチして戻す
ここからがスタート。まずは両腕で左足首をタッチして、戻します。その次に右足首をタッチ。身体を少しだけひねる形になるかと思います。さらに3回目はまっすぐ、右手は右足首、左手は左足首をタッチしましょう。
ステップ5:右肘で左膝を、左肘で右膝をタッチ。最後にまっすぐ状態を起こす
次に上体を起こして右肘で左膝をタッチして戻し、左膝で右膝をタッチ。最後に両肘が両膝にタッチできるところまで上体を起こしましょう。
ステップ6:右手で左膝を、左手で右膝をタッチ。最後は両手で両膝を
最後はステップ4と5と比較して軽めです。軽く上体を起こしてそれぞれの手を逆の膝にタッチして戻し、最後に両手で両膝をタッチしてください。動作は以上です。
ステップ4~6を10回で1セット。まず初めは1日3セットから始めよう
ステップ1~3で構えて、後はステップ4~6を順番通りに繰り返します。それぞれのステップは上体を3回起こして1カウント。つまり、1セットで合計30回上体を起こすことになります。慣れないうちはかなりハードなので、1日3セットを1日置き程度に実践してみましょう。
次の日、お腹付近が少し筋肉痛になっているぐらいがちょうどいいです。次の日何も痛みがなかったら、セット数を増やすなどして対応してみてください。目指すは1日10セットを目安にしましょう。このトレーニングを取り入れてから、テニスがさらに楽しくなりました。
【体幹トレーニングの注意点】呼吸のタイミングを動作に合わせましょう
最後にトレーニングを行う上での注意点です。今回ご紹介してトレーニングを実践される際には、以下の2点を意識してください。
・状態を起こすときに息を吐く
・状態を戻す(倒す)ときに息を吸う
呼吸のリズムは非常に大切です。呼吸と動作を一致させることによって筋肉も綺麗につくようなります。また、テニスにおいても打球タイミングが合わないときは呼吸を意識してみるの1つの手になります。